色々と見学して来まして、ヤッて来ましたのが〝環境用水放流設備〟です。
パンフレットによりますと、
◆灰塚ダムの放流設備
洪水の時に水を流す「洪水吐」とダム下流の川の環境を守るために使う「環境用水放流設備」と「選択取水設備」があります。
・常用洪水吐
ゲートは無くいつも穴は開きっぱなしですが、ダムに入って来る水の量よりも少ない量を流すようになっています。このような洪水の調整の方法を「自然調節方式」と言います。
・環境用水放流設備
ダムによる河川環境への影響を出来るだけ少なくするための放流を行う設備です。春先や洪水の後などに一時的に流す水の量を増やして、川底に溜まった砂を流したり、石についたコケを洗い流すことで、アユが食べる新しいコケを作り出します。
…との事で、先ほどダムを正面に見上げました際に、ダムの中央の上側が〝常用洪水吐〟で、その下側の中央に位置しますのが、今、私たちがいます〝環境用水放流設備〟であります。
◆灰塚ダム<3/3>
--- 出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』---
・目的
ダムの目的は洪水調節、不特定利水、上水道供給の三つである。
洪水調節については土師ダムと共に「江の川上流ダム群」として上下川の計画高水流量(計画限界の洪水流量)を百年に一度の基準で計画し、毎秒1,150トンの流量をダムによって毎秒400トンに軽減(毎秒750トンのカット)させる。そして土師ダムや堤防整備と併せることで江の川本流の洪水量を島根県江津市において毎秒10,700トン(毎秒3,500トンのカット)に減らす。
不特定利水については、上下川・馬洗川・江の川流域の農地へ供給する慣行水利権分の農業用水を安定して供給するほか、3河川の河川環境を保全させるための流量維持を図る。1997年(平成9年)に河川法が改正され、「河川環境の維持」が治水・利水に並ぶ重要な法目的に掲げられた。これ以降全国のダムに環境維持のための放流設備が設置されたが、灰塚ダムの場合は河川環境維持専用のゲートがダム中央部に設置された。定期的にフラッシュ放流を実施し人工的に洪水を起こし、河川に固着する藻などを洗い流し渕や瀬を維持させることで河川環境を自然の状態に維持させることを目的としており、主要放流設備として設置されるのは全国でも珍しい。
上水道供給は三次市と庄原市を対象地域とし、それぞれ日量10,000トンと日量5,000トンを供給する。これらの目的により三次市を洪水から守り、渇水に耐えられる上水道を供給する。そして以前は流量が不安定だった上下川や馬洗川の水量を維持し、河川生態系と河川環境を保全する重要な役割を担っている。
・ハイヅカ湖
ダム湖であるハイヅカ湖は一般公募によって決められた名称である。ダム湖がカタカナ表記であるのは、アイヌ語が湖名に付けられる北海道を除けば全国でハイヅカ湖ほか数箇所だけであり、極めて珍しい。試験的に貯水を行う試験湛水中、満水となってダムの非常用洪水吐きから一斉に放流された際には、わずか一週間という短い間に県内外から二万人もの観光客が訪れている。
ハイヅカ湖には二箇所の小堰堤が設けられている。一つは上下川に建設された知和堰堤、もう一つは田総川に建設された川井堰堤である。川井堰堤は台形CSGダムで建設されている。これら二つの小堰堤の目的はダムの宿命でもある堆砂の防除に加え、ダム湖上流部の水量を貯水で維持させることで湖岸の乾燥化を防止するという目的を持っている。特に知和堰堤上流には「知和地区環境総合整備計画」に基づき知和ウェットランドが建設された。
これは知和堰堤によって形成された水域を利用して湿地や水辺を人工的に整備し、両生類・昆虫・水生植物の生育を促すという目的で建設された。ダム周辺の環境整備の一環であり、併せて鳥類の飛来を促して新たなる自然環境を創造することを最終目標とした。その効果は既に建設中よりあらわれ国の特別天然記念物で絶滅危惧種であるコウノトリが飛来した。二年連続で飛来したが何れも別の個体であったことが判明している。現在はバードウォッチング用の観察小屋などが整備されている。
このほか湖畔には水際まで下りて遊べる才の峠広場や日本モーターサイクルスポーツ協会の認定コースにもなっている灰塚ダムトライアルパーク、きさ安田パークゴルフ場、田総の里スポーツ広場といったレクリェーション施設、3,000本のモミジが植えられたモミジ山や大谷植物園もある。ダム本体も開放されており、直下流の灰塚ダム記念公園からエレベーターでダム頂上まで行くことが出来る。なお、エレベーターに通じるトンネルは、治安対策の観点から常時広島FMが放送されている。
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