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 ◆入唐絵巻

 この入唐絵巻は、平安時代末期の学者大江匡房が晩年藤原実兼に話したことを書いたもの、即ち「江談抄」を基として作られたものです。
 内容は真備が唐へ渡ったとき、唐の役人たちが日本人の学力や知識を試す場面が主となっています。
 当時、唐は世界で最も優れた文化国家でしたが、真備はこれらの設問に全部答え、唐の役人たちを感心させたといわれています。
 特に興味をひく場面は、難しい「文選」という本を読まされたとき、阿倍仲麻呂の霊が鬼と化して教えてくれ、また囲碁の勝負で相手の石を一つ呑み込んで勝つというところなどです。絵は当時有名な「伴大納言絵巻」の常磐光長とされています。書の方も研究はされていますが定説はありません。
 この実物は大正十二年アメリカへ渡りボストン美術館の重要美術品となっています。ここに展示しているものは、中央公論社の「日本絵巻大成」第三巻より抜粋したものです。

 …と、こんな説明がありましたけど、とにかく複製とは言え大変立派な『入唐絵巻』でありました。
 囲碁の対決の場面でも、下剤を真備に呑ませ、排泄物を入念にチェックしていますシーンも描かれておりまして、少し笑えてしまいましたけど、真備の人柄も偲ばれ実に楽しい『入唐絵巻』でありました。
 どんな経緯で、この原本がボストンに有りますのか分かりませんけど、日本にありませんのが哀しいですネ。

 それでは、「まきび記念館」を出まして、公園内を散策してみます事に。
 池の方に進んで行きますと、「真備公菩提寺 鏡林山 吉備寺」の石標が…「吉備寺」は後で拝見させて頂く事にしまして、まずは池へ。
 そぅそぅ、この池です。10数年前に吉備路マラソンからの帰路に立ち寄りました「まきび公園」の、この池…うん、うん、何年経ましても当時のままでありました(^_^)v

 ◆吉備寺

 --- 出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』---

 吉備寺(きびじ)は、岡山県倉敷市真備町にある真言宗御室派の寺院。山号は鏡林山。本尊は薬師如来で行基作と伝えられ、秘仏となっている。

 ・概要

 この地には飛鳥時代に箭田廃寺(やたはいじ)が存在し、鬼瓦(後述)や礎石が出土している。吉備寺は箭田廃寺の跡に建てられており、礎石は現在、庭石に利用されている。この地の古代豪族・下道氏の一族で奈良時代の大臣・吉備真備を輩出した吉備氏の氏寺である。この寺院の南西に真備の祖父の墓と伝えられている場所があり、吉備様と呼ばれている。このため、江戸時代初期までは真蔵寺という名であったが、元禄年間(1688年 - 1704年)に吉備寺と呼ばれるようになった。なお、現在の本堂等は江戸時代の建造である。
 脳病に効験があるといわれる「へちま封じ」と呼ばれる祈祷が行われる。また、受験シーズンには奈良時代きっての文化人であった真備にあやかり、入学や就職の祈願で賑わう。
 寺の周辺には真備が遣唐使として派遣されたことにちなみ、「まきび公園」や「まきび記念館」といった中国風の施設が設けられている。

 ・文化財

 重要文化財(国指定)
 蓮華文鬼瓦・四葉蓮華文鐙瓦(しようれんげもん あぶみがわら)・花枝文宇瓦(かしもん のきがわら)
 当寺より出土。奈良時代の製作。現在は岡山県立博物館に寄託されている。

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