次は、「1号貯蔵庫」へと向かいます。
◆1号貯蔵庫
「空調設備は?」「ありません」
「蒸溜棟」で蒸留されたお酒は樽に詰められ、熟成し、ウイスキーへと変化していくのです。その樽に詰まったお酒を貯蔵しているのが「貯蔵庫」。見学用の一号貯蔵庫は創業時に作られたもので、増築を重ね、現在は26棟の貯蔵庫が稼働しています。
樽に入っているお酒は呼吸をします。夏になると中の空気が膨張し、樽の外へと出ていきます。冬になると中の空気が収縮し、外気が樽の中へと入っていきます。この「呼吸」によって、味わいの邪魔になる成分などが出ていき、まろやかな味わいになるのです。
A:ところで、空調設備が見当たらないのですが、見学スペースだからですか…?
B:いえ、どの棟でも貯蔵は自然任せです。余市の気候は冬がとても寒く、湿度が高いため、貯蔵に適しているんです。この貯蔵庫も見学者から見える手前のほうは展示用の樽で中身が入っていませんが、ついたての向こう側には実際にウイスキーが入っている樽がありますよ。
A:むしろ見学用の貯蔵庫に実際の樽があるのがすごい。
・むむMEMO
樽の中で貯蔵されているお酒は、揮発して少しずつ減っていきます。知らぬ間に天使が飲んでしまったのかもしれないということで、その減った分を「天使の分け前」とも言ったりします。湿度が低く乾燥していると揮発する量が増えて、どんどんお酒がなくなってしまうので、湿度が高いことは重要な要素になるのです。
--- http://yorimichi.airdo.jp/mumu_nikka --- より引用
…と、こんな「1号貯蔵庫」のようです(^.-)☆
続いて向かいましたのが「ウイスキー博物館」でありました。
◆ウイスキー博物館
2棟の貯蔵庫が博物館に姿を変えた琥珀色の空気が漂う空間で生命の水の浪漫に出会う。
1998年4月18日、余市蒸溜所に『ウイスキー博物館』が誕生した。建物はウイスキーが眠っていた貯蔵庫を改装したもので蒸溜酒、ウイスキーの歴史、製法、種類などを展示した「ウイスキー館」とニッカウヰスキーの生い立ちから現在までの歴史を映像やパネル、展示物で紹介した「ニッカ館」の2棟からなっている。
特に「ニッカ館」には創業者である竹鶴政孝と、彼のウイスキーづくりの夢を共に分かち合ったリタ夫人の写真や遺品が展示されており、ウイスキー愛好者ならずとも興味惹かれる展示がなされている。
ウイスキーとは何か?その応えが凝縮されている「ウイスキー館」。「ウイスキー館」の扉を開けると銅製のポットスチルと整然と積み上げられた樽が目に飛び込んでくる。
“琥珀色の始まり”に置かれたアランビックやパネルに記された蒸溜の始まりから、蒸溜酒の誕生、世界の蒸溜所が語りかけてくるのはウイスキーの創世記。
ウイスキーとは何か? その答えがここに凝縮されている。
“ウイスキーづくりの道具”ではウイスキーの熟成に欠かせない樽の製造法の紹介から、使用される樽材、樽づくりの道具を展示。ウイスキーストリートを抜けると、そこは“ウイスキー倶楽部”。
シングルカスクウイスキーやニッカの商品、世界のウイスキーが有料で試飲出来るほか、余市モルトの無料試飲が行われている。
◆リタと政孝のロマン溢れる「ニッカ館」
「ニッカ館」のプロローグは“ニッカシアター・浪漫”。
竹鶴政孝とリタ夫人の物語が、映像で綴られており、ラストの2人が仲睦まじく微笑みあうシーンは文字通り浪漫に溢れている。“竹鶴政孝の肖像”は竹鶴政孝が残した数々の資料とパネルの展示で、彼の生涯を紹介。広島の造り酒屋に生まれた政孝が、やがて洋酒づくりに興味を持ち、単身渡英。
彼が記したノートにはウイスキーづくりのノウハウから蒸溜器の図解が丁寧に記録されており、彼のウイスキーづくりへの情熱が伝わってくるようだ。
政孝とリタ夫人の運命を決めた場といわれる、カウン家(リタ夫人の生家)のクリスマスシーンをアンティーク家具などを使って再現したのが“クリスマスのプディング占い”。
プディングの中に入っているのは6ペンス銀貨と指貫。未婚の男女に銀貨と指貫が入っていると「2人は将来結ばれる」。
政孝のプディングには銀貨が、リタのほうには指貫が。言い伝えのとおり2人は結ばれ、琥珀色の夢を紡いでいくのだった。
“リタ&政孝の軌跡”は2人の遺品の実物展示とパネルで、「大日本果汁株式会社」時代から「ニッカウヰスキー株式会社」に社名変更するまでの時代を中心に、理想のウイスキーづくりへの道のりを紹介。日本のウイスキーの軌跡を辿ることが出来る。ウイスキー、そしてニッカウヰスキーの歴史に触れることができる『ウイスキー博物館』。熟成を重ねたウイスキー同様、味わい深い空間と言ってもいいのではないだろうか。
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